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スピリットベアにふれた島 

スピリットベアにふれた島 (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)スピリットベアにふれた島 (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)
(2010/09)
ベン マイケルセン

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自分で読んで、感想をまとめきれなかったので、読書会で取り上げてもらって、少し時間を置いて改めてまた感想に挑戦。

本作品は、2001年度にアメリカで刊行。
作者は、アメリカの児童文学作家。徹底した取材に基づく作品に定評があり、9作品で30近い受賞があり高い評価を受けている。
邦訳されている他の作品に、「ピーティ」がある。

付け加えるに、本作は、2011年度の中学生部門の読書感想文課題図書でもある。
作者の紹介にもあるとおり、作者の現代の社会問題に関する題材の選び方・及びその扱い方が秀逸であると思う。
前作「ピーティ」では、「障害者福祉」を一人の少年の孤独と合わせて描き、その話題をぐっと身近なものとすることに成功させていた。
本作で要となるのは、「サークル・ジャスティス」という制度とその制度の適用による少年の更生の過程を説得力をもって語ることができるか、ということだろう。

「サークル・ジャスティス」とは、本書の訳者解説によれば、
『通常の裁判とは異なり、被害者、加害者、双方の家族、関係者、地域住民、司法担当者などが一堂に会し、それぞれが平等に発言の機会を与えられた上で事件を検証し、加害者への処罰を決めるだけではなく、加害者、被害者双方の救済をめざす制度』
だそう。更に、この制度は、北アメリカ大陸先住民の伝統に基づくもので、従来の懲罰的な裁判制度を補完するものとして、導入されつつあるらしいとのこと。
つまり、従来の裁判制度の不備を補うために取り入れられた制度であり、従来の裁判制度の不備とは、上によると、懲罰が真の更生に繋がるのかという疑問と、被害者側の救済という観点の欠如である。
現代の日本においても、極めて今日的課題であるといえる。
不良少年の更生とは、今までにも馴染のあるテーマだが、被害者の救済とはあまり見たことがなく、そちらに関心を持って読んだ。しかし、本作では、加害者の更生に力点が置かれ、被害者側の救済については、やや説得力に欠けるものとなっているのは・・・仕方がないのかもしれない。
また、精神分析医やカウンセラーが発達・広く普及しているであろうアメリカで、原始的な先住民の制度を取り入れるということも興味深い。と、同時に文明社会に行き詰まったら、原始に返る(と、いうのも失礼か。)のも、ある意味単純なような気もする。また、例え根性が据わっているとはいえ、都会の少年のコールに動物の踊りを踊らせて、果たして得るものがあるのかどうか、懐疑的だったりするのは、わたしが従来の考え方の枠から離れられないからなのか・・・。

サークル・ジャスティス以外に見どころとなるのが、筆者のリアルで圧倒的な迫力を持つ筆致。

主人公コールが、スピリットベアに無謀な戦いを挑み、叩きのめされ生死の境目を彷徨う場面は、まさに目が離せない。物語の中盤であるにも関わらず、まるでクライマックスのようでもある。
しかし、だからこそのコールのその後の変化に説得力を持つ。


主人公のコール・マシューズは、同級生に対する傷害罪で裁判にかけられる。
コールは、家庭に恵まれず、心に強い怒りを抱え、それは反社会的な行為として外に向かう。
そんな彼に力を貸すのが、第三者である少年保護観察官であるガーヴィーとインディアンの古老エドウィンなのである。ガーヴィも、やはり、間違いを犯した過去があるらしいことをうかがわせる。
ガーヴィーの尽力により、コールは、刑務所で罰せられるのではなく、もう一度孤島でやり直すチャンスを与えられる。自分でしたことが全て自分に返ってくる自然の中、コールは、理不尽な怒りを父性の象徴であるかのようなスピリットベアに向け、叩きのめされる。
奇跡的な回復後、コールには、ガーヴィーやエドウィンの教えを受け入れる準備ができていた。

焚き火の周りでの踊り、水浴、石運び。

数々のエピソードの中で、心に残ったのは、枝の左端を怒りに、右側を幸せに見立て、怒りを折り取る話だ。折っても折っても左端はなくならない、全てを捨ててしまえば幸せをもなくすことになる。怒りは決してなくならない。全てはどう見るかにかかっている。

激しい心の葛藤、苛酷な体験を乗り越え、厳しい自然の中での暮らしによって、コールは、真の目覚めに導かれていく。

家族について、自己と向き合うことについて、自分の感情との付き合い方について、様々なことについて読む側に投げかけてくる、やはり傑作なのでしょう。



・・・・自分としては、「サークル・ジャスティス」という制度の可能性についてもう少し知りたいというのと、改心や更生のパターンを他の作品でも読み直して比較してみたい、というのが残りました。















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