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「子どもが孤独でいる時間」エリーズ・ボールディング 

子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)
(1988/12)
エリーズ ボールディング

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恒例月1読書会・・・というか、研究会?

今回の課題図書は、

「こどもが孤独でいるとき」エリーズ・ボールディング著、松岡享子訳(こぐま社)

原著の出版は、1962年。日本では1988年。既に絶版。

それほど、分量は多くないけれど、少し難解。抽象的・哲学的概念や言葉が出てくるというのと、著者自身がクェーカー教徒であるためか、宗教的なこともかかれているため。

ちなみに、クエーカー教徒とは、キリスト教の一宗派で、教会・儀式・神学・信条など一切の形式を求めず、自らの内に働きかける神を体験することに信仰の中心をおく。

今回、分かりにくかったので、自分なりに内容をまとめた資料を作る。また、関連性のあると思われる資料も打ち出して添付。更に、自分の解釈と感想を簡単にまとめたつもりが・・・いざ話すという段階になって、単語の羅列になっていること、自分の言葉に消化できていないこと、具体例を挙げて話せていないことなどがあって反省点。私の前に発言した人は、ちょうどわたしと真逆のタイプで、ご自分の体験を語ってらした・・・。
・・・でも、大体いつも本を読むときはそんなに自分に引き寄せて読まないタイプなのでねぇ。
難しいわ。
さて、本題。
題名から、どんなことを想像するかと言えば、「孤独」という言葉から、家族から見放され、疎外され、ひとりでいる哀れな子どもの姿が思い浮かんだのだが、ここでいう「孤独」は、肯定的な使われ方をしている。大まかに言って、

「孤独」=内省的な時間

というような意味らしい。その点を配慮したのか、題名には「孤独」に「ひとり」というふり仮名をふっている。

筆者は、個人的体験と宗教的確信から、「こどもは大人と同様に孤独でいる時間を必要とし、またそれを大事にしなければならない」と主張する。
更に、内面に注意を払わなければ、精神的に行き詰まり、想像力及び創造力の成長ほ阻止・委縮させるであろうとも。そして、そのことを歴代の聖者たち、神を愛する者たち、創造的な精神の持ち主の姿を通して、「この世には、ひとりでいるときのみに見出し得る何かがある」ということを立証しようとする。

ということで、のっけから少し身構えてしまうような出だしではあるが、その内容は、宗教的でない人間にも十分頷けるものになっている。そしてそもそもキリスト教圏の国の翻訳ものは、大体その根底に信仰の問題が隠れていたりするので、それほど気にはならない。

例えば、「エンデュアランス号大漂流」エリザベス・コーディー・キメル(あすなろ書房)は、シャクルトンが南極探検を失敗して遭難しながらも、部下を一人も失わずに生還させたという奇跡のような感動的な話だけれども、エピローグの挿話の神秘的な宗教的体験談がとても興味深い。
シャクルトンが数名の部下とともに、助けを求めて絶望的ともいえる状況にいたとき、彼らは、いつも自分たち以外の存在をずっと感じ続けていたという。
神の存在を感じるというのは、日本人である自分にはなかなかできないことだ。

エンデュアランス号大漂流エンデュアランス号大漂流
(2000/10)
エリザベス・コーディー キメル

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・・・横道にそれたが、興味深いのは、想像力の重要性、創造力に関する研究から、「創造力の本質は、既に知られている物事と以前に行われていたのとは少し違うやり方で結びつけること。つまり要素の再結合である」ということと、創造力を発揮するには、時間が必要であるということ。

要するに、落ち着いて考える時間が必要だということなのか。

次では、「孤独(ひとり)」でいる時間に行われることとして、アイデンティティの認識と精神的・霊的存在に対する認識が挙げられているが、いささか難しい。実際著者も文中でこのことについて推論として書いていたりする。

けれど、クエーカー教徒の実際例をひいての子どもの宗教教育の項目に関しては、一般の学校教育に通じるものがあり、腑に落ちるものがある。

親や教師の役割や、与える本の重要性、そして、ひとりでじぶんを見つめるための時間を与えることの必要性など。
また、一人でいる時間が創造力を生みだすといっても、みなが芸術家や発明家になるというわけではなく、生活を充実させることに繋がるというところにも一般性が感じられた。

出版されてからおよそ世紀が過ぎたといえど、現代でも多くの示唆を含む本書であるが、この孤独=内省的であれというのは、今でも一般社会からすると異端、相容れないものなのかもしれない。

偶然書評で似たような内容の本が最近出版されたことを知り、興味を持った。

http://globe.asahi.com/bestseller/2012032900013.html
             (朝日新聞「GLOBE」2012.4 第79回書評)

それが、

スーザン・ケイン「Quiet(静寂)」

Quiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop TalkingQuiet: The Power of Introverts in a World That Can't Stop Talking
(2012/01/24)
Susan Cain

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だ。内向的な人間に焦点をあて、米国では一般に評価されない彼らの長所について様々な観点から検証し、論じている。その内容については、6月4日放映のNHKの「スーパープレゼンテーション」の講演の日本語訳から窺うことができる。

http://www.aoky.net/articles/susan_cain/the_power_of_introverts.htm

孤独が創造性に繋がるという同じことが述べられている。

これはどんなことを意味するのかといえば、世の中の状況が結局は、「こどもが孤独でいるとき」が出版された時とあまり変わっていないということを意味するんじゃないだろうか。

最後に、松岡享子さんが訳された絵本の紹介を。

「まんげつのよるまでまちなさい」
         マーガレット・ワイズ・ブラウン(ペンギン社)

まんげつのよるまでまちなさいまんげつのよるまでまちなさい
(1978/07)
マーガレット・ワイズ・ブラウン

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あらいぐまのぼうやが母親に「夜が見たい」というけれど、母親は「満月になるまで待ちなさい」と答える。そして、ぼうやは待って待って待って・・・どうにも待ちきれなくなったと宣言した時、母親はその時が満ちたことを告げる。

訳者後書きが、「こどもが孤独でいるとき」を訳した人らしい言葉だなぁと思えた。

母親が定めたときと自然の条件が整ったときとぴったり一致したその幸せ・・・言い換えれば「内なるとき」と「外のとき」・・・訳すため、くりかえしくりかえしそのようなところへ、思いがさそわれていきました。


という訳者の言葉を読むと、本書の最後の章の「内側の予定作成者」と「外側の予定作成者」という言葉を連想する。もしかしたら、本書は絵本に関係する者、子育てをする者にとっての聖書のようなものになるのかもしれない。

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まとめ【「子どもが孤独でいる】

子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)(1988/12)エリーズ ボールディング商品詳細を見る恒例月1読書会・・
まっとめBLOG速報 [2012/11/05 08:18]

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